飲み物と口臭について

こんにちわ、歯科衛生士の福井です。

コーヒーと口臭について説明します。

朝起きた直後や仕事の休憩中などに、コーヒーを飲む習慣はありますか？
カフェインに眠気覚ましの効果を期待して、1日に何杯も飲むという方も中にはいらっしゃるかもしれません。
ただ、コーヒーを飲んだときに懸念されるのが「口臭」です。
コーヒーによる口のニオイは、どのようなメカニズムで生じるのかについて詳しく説明します。

コーヒーが口臭を左右する理由

コーヒーには集中力や意欲をアップさせる効果が見込めますが、コーヒー豆の細かい微粒子が口臭を引き起こします。舌の表面に微粒子が残ることで、特有のニオイが生じます。
1日数杯程度であれば構いませんが、5杯を超えるとニオイが出やすくなるかもしれません。また空腹時や喉が渇いている際に飲みすぎると、次の弊害が生じる可能性があるため気を付けましょう。
・唾液の分泌量が一時的に減って、口の中の細菌が繁殖する
・カフェインの利尿作用によって口の中が渇きやすくなる
・呑酸（どんさん＝酸っぱい分泌物）によって、胃酸が出やすくなる
もちろん「コーヒーを飲むな」というわけではありません。胃腸へ大きなダメージを与えないために、食後に飲む習慣を身につけましょう。もともと胃腸が弱い方は、過剰摂取をしないようにも注意が必要です。

喫煙習慣がある方は要注意！

タバコを吸いながら、一緒にコーヒーを楽しむ方がいらっしゃいます。
味わいがマッチするのかもしれませんが、その組み合わせが口臭を強めているかもしれません。
その理由となりうるのが、両者に含まれている成分です。コーヒーに入っているカフェイン、そしてタバコに含まれるニコチンやタールには、唾液の分泌を抑える働きがあります。
その影響で歯や舌の表面に付いた成分が残りやすくなり、イヤなニオイを発するようになるのです。口腔内に残った食物残渣も、十分に洗い流せないでしょう。

イヤなニオイの原因になりやすい飲食物

口臭を引き起こす飲食物は、コーヒーだけではありません。キムチや納豆、ニンニクやネギなどにも注意が必要です。もともとニオイが強い食品ばかりなので、ピンと来やすいかもしれませんね。
では飲料はどうでしょうか？
イヤなニオイの原因となりうる飲み物を、いくつか紹介します。

1．ソフトドリンク

糖分が豊富に含まれている飲料は、唾液の分泌量を減らして汚れや糖分を口の中に留まらせやすくします。
コーラやオレンジジュースなどを頻繁に飲んでいると、むし歯を引き起こすリスクもあるでしょう。
外出時や喉が渇いたときにすぐ口にしてしまう方は、特に注意が必要です。

2．エナジードリンク

エナジードリンクには、コーヒー同様カフェインが豊富に含まれています。飲むことで過緊張状態となり、唾液が分泌されにくくなるでしょう。
口腔内が乾燥し、ニオイが留まりやすくなります。

3．アルコール類

アルコールを過剰摂取した翌日、自身の口臭に驚いた経験はありませんか？
体内に取り込まれたアルコールは、まず肝臓でアセトアルデヒドに分解されます。その後、体の中の水分と一緒に尿として排出される仕組みです。
しかし過剰な飲酒を行うと、アセトアルデヒドの量が増えすぎて分解がスムーズに行われません。体の中に残ってしまった成分が、ニオイの原因となります。

4．乳製品

意外だと感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は乳製品も口臭の原因になりえます。というのも、乳製品には「口臭の原因菌」の好きな成分が多く含まれています。
原因菌には急に繁殖するという特徴があり、時には一晩で10億個もの菌を増やしてしまうこともあるのだとか。
牛乳や飲むヨーグルトを飲んだあと、口の中に違和感のある味が残るのはそのためだと考えられます。
コーヒーも例外ではないので、ミルクを入れて飲む習慣がある方は気を付けましょう。
飲んで終わりではなく、口腔ケアを都度行うことが大切です。そのまま過ごしていると、様々な口腔トラブルの原因になるので注意してください。

口臭を防ぐには？

コーヒーなどの飲料による口臭を予防するには、とにかくブラッシングをすることが大切です。また水分補給を都度実施し、いつでも口の中が潤った状態にしておきましょう。
ただ、外出時は頻繁に口腔ケアを行うのが難しいですよね。そのようなときは、次の方法で対処しましょう。

外出時の口臭予防法3選

・水で口をすすぐ（市販のマウスウォッシュを用いてもOK）
・キシリトールが配合されたタブレットやガムを噛む
・喉が渇いたりお腹が空いたりしたときは、水を少量飲んで極力我慢する
水だと物足りない方は、紅茶や緑茶、ルイボスティーといった飲料で代用しても構いません。しかし飲みすぎると、利尿作用で口の中が渇きやすくなる恐れがあります。がぶ飲みは避け、少量ずつ摂取しましょう。